原風景
原風景
「社内プロジェクトに参加したい」
その一心で8月の社内イベント後、マネージャーに何度も想いをぶつけました。
「新年会幹事をやらせてください」
あのときの緊張と覚悟は今でも鮮明に覚えています。
そして今回、猛アピールから新年会幹事という大役を任せていただくことになりました。
新年会の中でも、私は内定式を主に担当させていただきました。
今から1年前。
私は“内定者”として新年会に参加していました。
そのため、今回私は新年会の中でも内定式を作る側として参加させていただきました。
1年前の内定者だった私の家に届いた一通の招待状。
封を開けた瞬間、大学の授業も終業していた自分の時間が静かに終わりを迎えるように感じ、社会人になるカウントダウンが始まったように感じました。
大学生でなくなる寂しさ。
社会という未知の世界へ踏み出す不安。
「自分は本当にやっていけるのだろうか」
そんな思いを抱えながら少しだけ背筋を伸ばして会場に向かっていた自分の姿を、今でもはっきり思い出します。
当時の私は、ただ必死に先輩方の背中を追いかける存在でした。
知識も経験も、立ち居振る舞いもすべてが大きく見え、ただ学び吸収することに精一杯でした。
「この会社の一員になるんだ」
そう心から実感できた瞬間に不安でいっぱいだった気持ちが安心へと変わり、
社会への一歩を踏み出す勇気をもらった時間でした。
だからこそ今年はあの日の自分を超える時間を届けたいと強く思いました。
そして今、立場は変わりました。
教えていただく側から、
自ら考え、行動し、
その姿で伝えていく側へ。
1年前、迎え入れていただいた自分が今度は誰かの背中をそっと押し、前へ進むきっかけをつくる側になる。
その責任の重さを感じながらも、それ以上に大きなやりがいと覚悟を胸に準備を進めました。
何度もミーティングを重ね、案を出しては消し、一度完成した内容も妥協せず、何度も作り直しました。
「どうすれば想いが一番伝わるのか」
「どうすれば、心に残る時間になるのか」
その問いとずっと向き合い続けた準備期間でした。
まず最初に考えたのは、“去年の自分”でした。
どんな気持ちで座っていたのか。
何を不安に思っていたのか。
何に救われたのか。
あの時の感情を思い出すたびに、
もっと良いものを届けたいという想いは膨らみ続けました。
内定者7人に、安心して4月を迎えてほしい。
「ここで頑張りたい」と心から思える時間を届けたい。
理想は、考えれば考えるほど大きくなりました。
私たちが本気でつくり上げたこの時間が皆さんの心にどのように届くのか。
不安もありましたが、それ以上に、楽しみで仕方ありませんでした。
あの日の自分が救われたように、
誰かの背中を、そっと支えられる時間になりますように。
そんな想いを込めて、当日を迎えました。
内定式では主に2つのセレモニーで構成しました。
水引のセレモニーのコンセプトは“繋がり”
水引は一度結ばれると簡単にはほどけません。
それは、これから始まる私たちの縁と同じだと思っています。
シルバーの水引はnano.の社員の人数。
そして太陽のようなオレンジは、内定者の人数。
オレンジには、
「これからのnano.を太陽のように照らしてほしい」
そんな願いを込めました。
水引は愛情を込めるために全て手作りで作成したため一人一人大きさも異なる個性のある水引を送ることができました。
そして、サプライズムービー。
社会人になるその日まで大切に育ててくれたご両親からの手紙。
生まれてから今日までの写真に、その言葉を重ねました。
制作中、手元に届いた手紙を一通一通読みながらそこにある家族の時間、愛情、願いに触れ何度も胸が熱くなりました。
文字の奥にある温度。
言葉の裏にある想い。
「ここまで大切に育ててもらったんだ」
そう思うと、自然と涙がこぼれました。
この人たちを必ず安心して送り出せる時間にしよう。
その決意が私の背中を強く押してくれました。
1年前、迎え入れてもらった私が今度は誰かを迎え入れる側になる。
その循環の中にいられることを誇りに思います。
この日が、7人にとってただの通過点ではなく、
いつかふと立ち止まったときに思い出せる“原風景”になっていたら嬉しいです。
それぞれが選ぶ道の先で、今日の時間が静かに力をくれる存在でありますように。